今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

偶然の不思議さ

日本画家の堀文子について、
私がかつて知っていたことと言えば、
挿絵などに使われるきれいな花の絵を描く人だということだけで、
日本の画家にそもそも興味を持っていなかったので全く関心がなかった。

 

それが、きっかけは忘れたけれど、
図書館で作家が書いたその人についての本を借りてきて読んだことがあった。
多分たまたま見たテレビで知ったのかもしれない。

 

それから10数年が経ち、その作家が書いた本の名さえ忘れていたのに、
先日、図書館に寄ったら平凡社の「別冊 太陽」に、
その人の特集があるのを見て思わず手に取った。
それは、2018年のもので彼女の百歳記念となっている。

 

表紙のサブタイトルは「群れない、慣れない、頼らない」だ。
この画家の生き方を表すピッタリな言葉である。
本の内容は群れず慣れず頼らなかった彼女の人生を解説してあり、
たくさんの美しい絵が添えられている。

 

 

そんな折、本棚を並べ直していたら、
友人に出した手紙のコピーが残っていた。
この手紙は村上龍の羅漢展に一緒に行った友への手紙だった。

2006年2月の日付だ。


何となく読んでいたら、

--------------------------------------------------
「この頃、堀文子のことを書いた本を読み、とても気になっています。
作家は村松友視で、題名は『極上の流転 堀文子への旅』というものです。
内容が面白くて今度は彼女が書いた『ボルトの木の下で』という本を読んでみたいです。
---------------------------------------------------

こんなことを友人に書いていた。
たまたま彼女の本を手にしている時だったから、
その偶然にひどく驚いてしまった。

 

書いたものは何でも捨ててしまうのに、
なぜ手紙のコピーが残っていたのだろう。
しかも、それが今読んでいる本の人のことについて書いてあるなんて。

 

全ての出会いは偶然だと思うけれど、
こうして過去に追いやったものが立ち現れるなんて、
偶然なのか必然なのか、とても不思議でならない。
でも、やはり、きっと噛み合わせの素晴らしく一致した偶然なのだろう。