北海道で函館山の夜景を案内してくれた親切な女性と、
何と帰ってからほんの10日後辺りに再開することになった。
余りにもすぐなのでとても驚いたけれど、
彼女は前々から上京する予定で、用がない1日を使い、
私の住む町へわざわざ来てくれたのだ。
これだけでも滅多にないことである。
彼女と電車(実際はディーゼル?)のボックス席で一緒になったことが、
どれほどの確率だったのか考えてみた。
ほんのちょっと違う席にいたら出会わなかったし、
今回の訪問もあり得なかった。
また私たちが見知らぬ人間に対して大方の人のように身構えていたら、
会話すらもなかったはずだ。
つまり、これをいわゆる「縁」というのだろうか。
偶然が私たちに新しい出会いの場を作ったのかもしれないけれど、
必然と言えるのではないかとも思う。
スマフォに支配された世界の中で、
私たちが現実に出会い、また再会するなんて、
これを奇跡と言わずして何というのか。
彼女を駅に迎えに行くと、
山歩きの好きな彼女に私の軽登山靴を貸してあげて、
いつも歩いているラージヒルの散歩道を案内した。
これは函館で約束したことでもあった。
そこは函館山と同じぐらいの標高だけれど、
岩だらけの道ばかりで彼女は驚いていた。
途中であった老人男性も「ここは散歩のつもり」と言うものだから、
遠来の彼女はたいそう驚いた。
確かにその道は転んだりしたら滑落して危険なのだ。
現に去年も転んで亡くなった人がいるらしい。
散歩も命がけに感じたようで、
彼女の北関東訪問はとてもスリリングで、
かつとても楽しい思い出になったようだ。
案内して本当に良かった。
それより何より大切な時間なのに、
わざわざ電車に乗って会いに来てくれたのが嬉しく有難かった。