この日、東京の西の町が39度という日本一の暑さとなった。
気象庁の予報では埼玉の熊谷市が40度を記録するわけだったのに、
少し南にずれたわけだ。
ちょうど私はその近くにいて、焼け付くような太陽の熱に辟易していた。
それでも、ぎりぎり頑張った。
最近の天気予報は以前みたいに外れることが少なく、大体が合っている。
これは宇宙に浮いて?いる天気衛星が、
常に地球に詳しいデータを送っているから予想がしやすくなったためだ。
マクロの世界である。
データは日本付近の上空を様々な特殊カメラで撮影し、
細かく数値化したものだろう。
専門家は特別なソフトでそれらを昔ながらの天気図に反映させ、
それを読み取り予報を出しているのだろう。
読み取りにはそれぞれ多少の違いがあっても大むね正確だと思う。
一方、ミクロの地上では、ありとあらゆる場所に機器が配置され、
私たちが身につけているスマフォの情報も有効となっている。
最近の雨雲はピンポイントで雷雨をもたらしたりするので、
わが町は快晴なのに、
隣町では車も動かせないような豪雨になることも度々である。
さて、昨今の雨はこれまでの定説を打ち破るほど頻繁になり、
各地に被害をもたらしている。
天気予報では天気図を解説し、警報などは流すけれど、
なぜこんな気候変動が起こっているのかの根本的な原因究明はしない。
「50年に一度の雨、かつてない雨…」などの表現はもう聞き飽きた。
どうしたら気候変動にストップをかけることができるのか、
それを追求し、これからの指針を探るのも気象に関わる人の責務だろう。
ただデータを分析するのは人工知能に任せれば良い。
温暖化の影響が今の事態を招いているとすれば、
私たちはどう暮らせば良いのか指針を示してもらいたい。
なぜなら人々の生活を変えること以外に道はないと、
私には思えるのだから。
「熱中症にならないようにクーラーを!」というアナウンスが、
頻繁に内外から聞こえてくる。
そのためかつてないほど多くの人々が、
広い部屋でたったひとりで過ごしていても窓を閉めて電気を使い、
その熱気をのべつまくなく外へ出す。
通りを走る車の中はギンギンに冷えている。
私はこの日も窓を開けて走った。
風が頬を打ち、涼しく感じられた。
以前は皆そうだった。
直射日光を浴びてバイクで走る人も多くいた。
何もかも変わってしまった。
だから、気候だけが変わらないわけがない。