渋谷のクリニックに行ってきた。
都心を電車で通るのは実にスペインからの帰路以来である。
コロナ直前の日だから約3年近く経つ。
ラッシュを避けたのに電車は混んでいて、
渋谷までずっと立ちっぱなしだった。
医者に行ったわけは二か月も前に刺さったガラスの痛みが取れず、
専門医の話を聞こうと思ったからである。
診察は午前中で終わったので、久しぶり渋谷の街を歩くことにした。
あいにく天気は雨で気温も低かった。
傘を差しても風もあって服が濡れ、体が冷たくなるほどだった。
駅の工事ですっかり変わってしまった渋谷の街、
以前の記憶で歩いても思い出すビルも減っている。
仕方なくミーハー気分で、
最近この町のランドマークの一つになったヒカリエに行くことにした。
都会のこうしたビルにあるお店はとても高級な店ばかりである。
ブランドのバッグや服など、ほとんど私には用のない品ばかりだ。
それでも、少し気になるものを見つけても、値段があまりに高すぎる。
ここで買い物をする人たちってみんなお金持ちなのだろうか。
いつもこういうところに来るとその点が気になってしまう。
都会はお金持ちしか買い物ができないのかと。
ヒカリエを出ると雨の中をふらふらと歩いて、
今度は凝りもせず109に入ってみた。
ここも同じようにブランドばかりだ。
若い人はこんな店でファッションを決めるのだろうか?
すぐに外へ出てまたふらりと雨に濡れながらハチ公まで歩く。
ハチ公前では雨の中でも修学旅行の生徒らしい子供たちが、
賑やかにスマフォで記念写真を撮っていた。
その姿と変わらないハチの顔を見ると、やっと渋谷にいることを実感した。
やっぱ渋谷はハチ公だわとホッとする。
つくづく自分は都会に向いていないなあと思ってしまう。