大きなトマトが一つだけ赤く色づき始めて、
その色が濃くなるのを日ごと楽しみにしていた。
今朝はついにもう採っても良いかなと思うほど、
熟れた赤色になっていて、ワクワクしながらハサミを手にした。
今年はこの桃太郎という大粒の品種のトマトを3本しか買っておらず、
1本は野菜ジャングルの中で消えてしまい、
普通に育っているのは2本しかない。
他には鈴なりに実をつける赤や黄色のミニトマトが5本ほどあるけれど、
毎朝収穫のあるそれに比べると、
大きなトマトの方が手にした時の喜びは俄然大きい。
それなのに今朝はハサミで実の付け根を切ったと思ったら、
間違えて主枝に刃を当てたらしく、
何とどさっという音とともに青いトマトごと落ちて来た。
その数は全部で5つだ。
切ってしまったのだから手遅れとはいえ、残念でならなかった。
だから、何としても青いトマトを利用したかった。
前にこれをぬか漬けにしたことがあり、
毒というわけでもないのは知っていた。
そこで、薄切りにして野菜炒めに利用することにした。
ちようど友人に頂いたズッキーニがあったので、
人参とピーマンも加え長めに炒め、
隠し味の砂糖や自家製ビネガーと合わせて、
最後にナンプラーを振りかける。
アイボリー色になって透き通った薄切りのトマトを、
恐る恐る味見してみるとこれがなかなか美味しい。
舌触りはふわっとしていて、
青トマトから出る自然な酸味が特徴だった。
試しだったから半分しか使わなかったけれど、
この分ではしばらくおかずの一品に役立ちそうだ。
ただでさえ食品ロスが問題になっている昨今、
自分が育てた野菜はなおのこと無駄にしたくない。
熟成半ばで切られた青トマトもきっと喜んでいるに違いない。
これからどんどん食べることにしよう。