野菜を真ん中で切ると、とても素晴らしい造形世界を見ることがある。
例えばキャベツ。
これを半分にすると、キャベツの中には大木が潜んでいる。
大きな幹から夥しい枝が伸びていて、
隙間が見えないほどびっしりと詰まっている。
私に絵を描く才能があったらこれを描写してみたい。
それほど絵画的な世界が広がっている。
自然という造物主の何と凄いことか。
秋にかぼちゃを切った時も驚いたものだった。
種の断面がぎっしり詰まった小さな稲荷寿司に見えた。
自然の造形の技に参ってしまうのはそんな時。
じっと見入りながら人間がどんなに頑張っても、
無からこうした美しい断面を持つキャベツやカボチャを、
作り出すことは出来ない。
そう思うと野菜の一つ一つもこれまで以上に存在感が増してくる。
今日からは美しさを想像されるお野菜は、
まず断面を見るために切ってみようかと思ったりする。
ブロッコリーやカリフラワー、玉ネギなどもいけそうだ。
野菜料理がもっと楽しくなるかもしれない。