最近は朝早く目覚めた場合は必ず近所を一周している。
どんなに寒くても風が強くても暗い中から黎明の光を目にすると、
地球の壮大なドラマが始まったみたいで嬉しくなる。
夜明け前に支線の鉄道から始発電車の音が響くのを聞くのも嬉しい。
それにも増して感激するのは空に浮かぶ月と星。
日中の散歩とはそこが違う。
ここいらは山間部と違って空全体が明るいので、
小さな星は見えないけれど、明けの明星は大きく光っている。
その星と直線を成して並ぶように、
白い月が日ごと形を変化させていくのを見るのも楽しい。
ところが、私は星や月の仕組みを全く知らず、
今回初めて月がない日があることを知り、目からうろこだった。
3日前に星とシンメトリーを成していた月に感動し、
それを再び眺めようと外に出たのだけれど、
星はあるのに月がなくなっているのだ。
キツネにつままれたみたいな気分で自宅に戻り、
念のためGPSの太陽と月のカレンダーを確かめてみた。
月の満ち欠けなどには興味なかったので、
その機能をまじめに見るのも今回が初めてだった。
すると、何と月には真っ暗になって地球から見えない時期があったのだ。
どうやら満月から欠けていく下弦の月の時らしい。
そんなことも知らず近所の友人に、
「一昨日出ていた月が今朝はない!」と連絡したのだった。
最近空を見上げるようになった彼女も、
犬の散歩の時、月がないと思って不思議に思ったらしい。
きっとこんなことは小学生でも知っているだろうけれど、
人はそれが自分で体感してこそ理解できるというものだ。
おかげで私も友人もほんの少しだけ科学的に月を理解できた。
左側に残っていた三日月が消えた後は、今度は右側から三日月になってくる。
下弦と上弦の月というらしい。
言葉は知っていたけれど、
現実には知らなかった私、我ながら呆れている。
夜明け前の散歩は空について知るきっかけとなり、
習慣化することで健康にも良いから一石二鳥だと思っている。
ずっと続けられたら良いなあ。
(写真 GPSの月の満ち欠け図で、この日、月は真っ黒くなっていた)