山間の駐車場に柿の木があって、木には枝もたわわに柿が実っている。
まるで枝が折れるほどのなりようだ。
他人事ながらいつ採るのかとずっと気になっていたのだけど、
今朝は枝が落とされ、二人の年配女性が一所懸命に柿の実を拾い集め、
段ボールに入れていた。
用事を終え、駐車場に戻ると先ほどの女の人二人がまだ作業中だった。
「凄いですねぇ」と声をかけ挨拶をすると、
私が欲しそうにしているのが分かったのか、
「好きなだけ持って行ったら?」と言ってくれた。
その背の高い柿の木は駐車場の持ち主のもので、
たまたまその人も柿の木のそばに来ていた。
年配女性は毎年こうして持ち主から貰っているのだそうだ。
持ち主の男性がクレーン車で柿の枝を落としたようで、
その人も私に向かって好きなだけ持って行っていいと言ってくれた。
私が買い物袋に柿を拾い集めていると、
年配女性も傷のない柿を探しては拾って手伝ってくれた。
見ず知らずの人たちが通りかかった私に何と親切なこと。
柿の酢を作るために水辺公園の渋柿を少しずつ拾っていたけれど、
ここでこんなに頂けるとは思いもよらず嬉しかった。
拾っている女性は干し柿にするらしい。
私も今年はこれを干してみよう。
皮をむいて吊るすのはとても大変だけれど、
干した柿の甘さは自然が産み出した最高傑作だ。
だから、出かける前に急いで皮をむく。
数えたら40個もあった。
出来上がりが待ち遠しい。
見ず知らずの人たちに感謝感謝である。