先日、出かけついでにウォーキング公園を一周した。
そこには野球場やサッカー場などの大型運動施設があって、
周りには芝生が張り巡らされ、ウォーキング用の赤いトラックがある。
財政が良いのかいつも何かしら新設されたり修繕されたりしている。
そのため設備も近代的で多くの人たちが運動をするために訪れている。
毎日来ている人も多いように見受けられる。
芝生のあちこちには桜や松、
ケヤキなどの木々もあってかなりの大木になっている。
中には実のなる木があり、
ヤマモモの木はこの季節になると赤い実をつける。
この日も実のなる時期とあって、
ウォーキングコースが赤い実でびっしり覆われていた。
すっかりヤマモモのことなど忘れていたので、
その有様には驚かされた。
以前はよく歩いていたけれど、
ヤマモモの実が熟した頃に歩いたことがなかったのだ。
芝生に落ちたその実を口にしてみると、甘酢っぱい味がした。
きっとジャムが作れるに違いない。
私は車に戻ってビニール袋を持ってきて、ヤマモモ拾いをすることにした。
見上げると深い緋色をした小さな実が枝のあちこちについている。
桑の実と同じように黒っぽく熟した後、自然と地面へ落ちるようだ。
私はしゃがんできれいな実を袋に集めた。
その間、多くの人が私の横を過ぎていったけれど、
誰一人声をかける者はいなかった。
私は「何を拾ってるのですか?」とか、
「それって食べられるのですか?」と、
何人かの人に尋ねられると思っていた。
だけど、老いも若きも私の姿を一瞥もしなかった。
人々が何の興味も示さず、平気で赤い実の絨毯を歩いていく。
時には避けて通る人もいたけれど、
「何だろう?」と、木を見上げる人はいなかった。
とても驚いたけれど、これが、世界なのだ。
私は自分が世界から遠く離れた存在のようで、
何となく気分が重くなるのを感じた。