友人二人と紅葉狩りに行ってきた。
今年も晩秋になってもずっと気温が高い日が続くので、
どこもあまりきれいな錦繡ではない。
思えば最近は毎年のようにそんなふうで、
マスコミが名所を紹介してもかつての美しさにはほど遠い。
それでも、紅葉を見たいのが私のような凡人の思いである。
季節の区切りをこの目で確かめたいのだ。
先月末に出かけた会津西街道の沿線はほとんど色づいていなくて、
標高の高い山に登っていくらか満足して帰ってきた。
でも、以前遭遇したような息を吞むほどの紅葉を見たかった。
今回はそれから10日は経過し紅葉でとても有名な吾妻川沿いを走ったので、
あちこちにカエデの緋色も目立って色づき具合は良く、
おそらく今季のピークだったのだと思う。
散歩程度に歩いた里山の色づきは標高が高いだけあって、
歓声を上げるほどだった。
週末なのに車はそれほど多くなかったが、休憩した道の駅は混んでいた。
都会に住む二人は移動はいつも電車利用なので、
車が相手の道の駅に立ち寄ることは滅多にない。
そこで今回は道の駅があったら必ず寄ることにした。
これが面白いことに何と5つもの道の駅があって、
紅葉見物というより道の駅巡りになった。
道の駅は8月現在で全国に1198もあり、国土交通省の管轄だ。
私が前に買った2017年のガイド本では1079だったから、
この5年の間に110ほど増えている。
道の駅には地元の採れたて野菜や名産品、
お弁当など数多くの品が並んでいて楽しい。
トイレも24時間利用できるし仮眠にも最適だ。
車で移動しない彼らは寄るたびに「安い、安い!」と感嘆して、
何か手頃なおやつなどを買ってきた。
その様子を見ていると、国の行政というものについて考えさせられた。
これは車を持つ人の税金で成り立っているのだろうか。
高速料金の割引や道の駅の利便さなど、
都会に住む彼女たちには何の恩恵もないのだ。
税金は様々な立場の人々におしなべて平等に分配されない。
また今まであった地元の小店や露店は道の駅に吸収されたのだろうか。
何も疑問を持たず利用してきたけれど、ちょっと気になってしまった。