友達を誘って行ってきた。
二人ともコロナで都心に行くのを避けていたので、
久し振りの展覧会鑑賞だった。
この展覧会では日本初公開というのが多くあって、
重厚な洋館作りの三菱一号館美術館には多くの見物客がいた。
有名な印象派の画家のものが多くあり、見ごたえがあった。
中でも、ゴッホの『麦畑とポピー』という絵画がこの展覧会の目玉のようだ。
その絵のある展示室は何とカメラ撮影が許可されていて、
客は一つ一つスマフォでそれらを熱心に写していた。
写した写真はご自由にとの説明だったので、
私も貪欲なほどシャッターを押した。
展覧会というとたいていが作品の前に線があって、
それ以上近づけないのだが、
この展覧会では制止線などなく自由に目を近づけることができた。
係は部屋に一人しかおらず、
時々、問題のありそうな行為をした人に注意をする程度だ。
たとえば大声で話したり、隣の客に近づきすぎたりすると、
静かに注意をされることになる。
丁寧に見て回ったら3時間近くかかっていて、
外に出るとパティオのようなしゃれた空間に人が休んでいた。
近くのビルで働いている人たちのお昼休みらしい。
お弁当を開いている人や、
ポットからお湯を注ぎ、インスタントコーヒーを淹れている人もいる。
この人たちの日常と私たちの日常は大きく違う。
彼らは毎日この空間でお昼を過ごしているのだろう。
人の生活は人の数ほどあることに今更ながら感心する。
私たちは2時間かけてここへ来て非日常を楽しんでいる。
彼らの日常は日比谷のここにある。
さあ、私たちも築地に場所を移して海鮮丼でも食べよう。
都心には滅多に来れないからね。