最近スパゲティの茹で方が変わり、
今までそんなに作らなかったのによく作るようになった。
これまでのスパゲティは大鍋を使い、たっぷりの湯で茹でるのが当たり前だった。
それが今は全く違うのだ。
私がこの茹で方を知らなかったのは単に不勉強だったのか、
定説や基本にこだわる頭の固い人間だったからなのか。
新しく知ったやり方はこうである。
お昼をスパゲティにしようとしたら、
朝の内にそれを半分に折って短くし、鍋にひたひたの水につけて置く。
時間が経つと麺は水を含み茹でやすくなり、
料理する時は麺同士がくっつかないように、
小さじ1ほどのオリーブオイルを垂らし、鍋にきっちり蓋をしてぐつぐつと茹でる。
今までは茹で上がったお湯を捨ててしまわなければならなかった。
この方法だと、その分、燃料も水も時間も無駄がなくなる。
スパゲティはエコな料理ではないなと思っていたからやる気がしなかった。
でも、この方法は予め麺が柔らかくなっているので、
わずか5分ほどで麺は出来上が。
水は麺に吸収されてしまうい、1滴も排水溝に流れない。
どうやらアウトドア式のやり方らしいが、
麺の感じもそんなに変わらず十分に美味しい。
もう何度も作っているけれど、お店のものと遜色ない。
でも、さすがに日本の乾麺だとこうはいかないだろう。
ソーメンやお蕎麦をこんなふうに茹でていたら、
失敗作になってしまう。
スパゲティだって目をしかめる人が多いだろう。
いや、どうなのだろう?
日本の各地には「おっ切り込み」や「ほうとう」といった、
どろどろ?になっても美味しい山賊料理もある。
それらは具も一緒に煮込んである。
たぶんそうした料理方法は、日々の忙しさのために、
料理係の主婦がやむをえず手間を省いたものだ。
昔は生きることが精いっぱいでそうせざるを得なかったのだと思う。
外国渡来のスパゲティにも母国の田舎では様々な食べ方があるに違いない。
今回は残り物の激辛カレーをかけた。
麺も程よく柔らかくて噛み応えもあり、なかなかの味わいだった。
多分これからもずっとこのやり方でスパゲティを作ると思う。
こだわりを捨てれば楽にもなるし発見も多い。
(写真 上はキャンプ場で一晩前に水に浸しておいたもの)