スーパーに行ったら珍しく深海魚のヒラメが売っていた。
コロナ禍の影響で手を使うトング売りがパック売りになって、
白い大きなトレーにヒラメが1尾ずつ入っている。
ちなみに25㎝ほどの大きさで、値段はたったの300円だった。
ヒラメがこの店に並べられるのはあまりないので、
じっくり選んで買い物かごに入れる。
なぜか他にもイシモチやトビウオなども入荷していて、
魚が大好きな私は何でも買いたくなる。
帰宅して早速夕食のおかずにしようとしたけれど、
たったの1尾を煮るのは難しい。
そこで焼いてみることにした。
ガスの魚グリルで焦げ目がつくまで焼いた。
ヒラメの塩焼きなど考えてみると初めてだったので、
出来上がったヒラメの盛り方が分からなかった。
裏表はどうなっているのだろう。
私は白い方を上にしてお皿に乗せたが、
黒い方が良かったのか分からなかった。
味はふわふわとした淡白な白身独特の味で醤油をかけると、
とても美味しかった。
日本酒にぴったりの味だ。
食べた後に、ネットで調べてみたら、
どうやら黒い方が左で表となり、
白い方が裏で右側になるらしい。
目は左上に両目がついていて何だかややこしい。
白い方は目がないので不思議な顔をしている。
昔の人は潜ってモリで刺して捕まえたのだろうか。
五感のすべてを通して食べ物と向き合っていた。
最初に食べた人は勇気が要っただろう。
手の届かない深海の生き物を、
採るという行為なしにこうしてお酒の肴に食べている自分。
自然の恵みにもっと感謝しなければいけないと思うのだった。