今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

初感染者のことが載った新聞記事を見つけた

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新聞をまとめて読む私、

半年前のものであろうが、昨日のものであろうが、

かまわず読んでいる。

一種の活字中毒なのかもしれない。

 

リアルタイムなことは報道やネットで知るが、

文字として記事になった新聞は違った意味で魅力的だ。

文化や芸術、旅の記事など興味あるものも多く、

何より過去という時間があったことを確認できるのが面白い。

 

今日はわざわざ家を車で出て、

たまった新聞を公園の駐車場で読むことにした。

家で読めれば良いけれど、気が散って集中できない。

狭い空間が脳を活性化させるようだ。

 

桜吹雪の舞う並木の下で気分転換にやっている車内昼食を終え、

どっさりたまった15日分ほどの新聞を一日ずつ読む。

窓の外はものすごい風が唸り声を上げていて、

木の大枝すら不気味な音を立てて激しく揺れている。

散歩をしている人もわずかで、

おかげで神経が記事に集中できた。

 

今日読んだ新聞の中に今年の1月頃のものがあった。

中でも新型コロナ感染者が日本で初めて出たという記事が目についた。

その日付は1月17日とある。

記事は前日のことを書いてあるため16日に陽性第1号が出たわけだ。

 

記事の内容は、武漢に行っていた30代の中国人が患者で、

その人は1月3日に発熱し、6日には解熱剤を飲み検疫を通過し日本に入国、10日に入院し15日に退院とある。

神奈川で同居する家族や医師に二次感染者はいなくて、

厚労省は「感染拡大の可能性は低い」と言っている。

 

この患者が発病し帰国してから3か月あまり、

日数にすると約90日、

現在の日本の陽性者は約2600人となっている。

その日の私はスペインに行くため成田からドバイに飛んでいたのだった。

その頃に新型ウイルスが報道されていたことは記憶になく、

私を含め、厚労省もWHOもおそらくそんなに気にしていなかっただろう。

 

だから、何も知らずに出発し、何事もなく帰ってきた。

旅先ではひと月前にかかっていたインフルエンザもすっかり良くなっていた。

旅の間、周囲にはウジャウジャと保菌者がいたに違いない。

とにかく観光地には中国のツアー客で賑わっていたのだから。

今はバルセロナマドリッドは、

人っ子一人いないゴーストタウンのようになっている。

 

新聞を読んだ後、必要もないのにマスクをして水辺の公園を歩く。

こんな中にも幾人かの人に会ったが、

皆マスクをしているせいか挨拶も交わさない。

下を見て歩くだけだ。

 

歩きながら考えた。

私は運が良かったのか?

タイミングが良かったのか?

それよりこれから先どうなるかが問題だと。

(2020年1月17日付 東京新聞)