黒い羽をしたヒヨコを3羽譲り受けてきた。
子供の手のひらにも入るような生まれたばかりのヒヨコだ。
彼らは車の後部座席に置いた小さな段ボールの中で、
ガサゴソと音立てながらピヨピヨと鳴き続ける。
長旅の間、信号で止まるたびに、
私が振り向いて「うるさいよ!」とわざと叫ぶと、
言葉の意味が分かったように突然しーんとなる。
それが面白くて何度もやってみた。
黙った後はほどなくピヨピヨと鳴き始め、
車内が再び賑やかになる。
クーラーをかけていない車内は外と同じく猛烈に暑く、
小さな命の体調が心配だった。
長旅が終わって箱を覗くと、
元気な顔がピーピーと叫びながら私を見上げた。
赤ちゃんの眼差しでいたいけない表情をしている。
早速、大きな段ボール箱を住まいに改造してあげる。
箱にはカッターで四方に細長い窓を開け、
寝場所の小箱もガムテープでくっつけた。
もちろんそこに入る入口も開けた。
本当は庭で放し飼いにしてあげたいけれど、
猫や蛇などに襲われるし、何よりピーピーとうるさい。
しばらくは段ボールハウスをリビングに置いて育てるつもりだ。
そんなわけで食事をする傍らでも、
ヒヨコ達が遊んでいるのが見える。
水を飲んだり始終食べたり、
そして、突然ことっと寝たりと面白くてならない
さて、新しく始まったコッコライフ、どうなるか。
ヒヨコ用の特別な餌をコーヒーミルで砕いて作って上げたり、
野菜を切って上げたり、箱を掃除してあげたり、
仕事がいっぱいでとても忙しくなる。
でも、本能だけで生きている彼らの姿を見ると、
心底癒されるに違いない。