テレビの民放のニュースを見てとても驚いた。
車が鳩を轢き殺し、それを見た人が通報し、
何と逮捕されたということだった。
運転手の顔まではっきりと画面に映し出されていた。
鳩を何羽轢いたのか、またわざと轢いたのか分からなかったけれど、
運転手の言い分は解説によると、
「人と違い、鳩だから問題ない」ということだった。
都会の鳩は住民に嫌われる場合が多く、
団地などでは鳩の糞害を避けるため様々な工夫をしている。
これは快適に生きるための行為の範囲だと思う。
もちろん捕獲して退治することまでは想像できないけれど、
中にはそういう人もいるかもしれない。
私が何よりも驚いたのは、
その人が何とかという法の罪で逮捕されたことと、
公共ともいえるテレビ画面に顔が映し出されたことだ。
毎日のようにニュースでは強盗や殺人、強姦などの事件が起きて、
テレビを騒々しくさせている。
防犯カメラに映ったガラスを割って侵入する犯人らしき者にも、
どんなテレビ局も顔をぼかして放送している。
そんな場面を見ていていつも不満に思っていた。
明らかに悪いことをした人間に人権があるのかと。
それが鳩を轢いてしまった人を大写しにしたのだ。
恐らく逮捕されたので隠さなかったのだろう。
すぐに釈放されたと聞くが、不思議でならない。
その人はタクシーの運転手らしくちゃんとした社会人だった。
職場も世間もあるのだ。
顔がさらけ出された影響は大きいだろう。
綱吉時代、動物嫌いの人を苦労させた「生類憐みの令」を思いだす。
あの時代はどうだったのだろうか。
鳩が轢かれたことをすぐに通報した人の動機を知りたいものだ。
故意に轢いたように見えたとしても通報するには躊躇われる。
私も以前、公道を走っている時、
猫が突然飛び出してきて焦ったことがある。
何かを感じ車を止めたけれど暗闇のせいか分からなかった。
もし、その運転手がぶつかってきた猫やカラスを轢いたとしても、
轢き逃げになるのだろうか。
私は大の動物好きだけれど、
今回のことは逮捕された人に同情してしまった。
(写真 増えすぎている鵜は小魚を食べつくすギャングだ)