最近知り合った公民館活動の仲間の人と尾瀬へのハイキングに出かけた。
ハイキングとはいえアプローチは車で家から3時間、
早朝に発てば日帰りもできるけれど、
無理のないよう車中泊して二日がかりの山旅とした。
彼女は毎日のように地域の公民館活動でスポーツをやっていて、
週に一度は一時間ほどの山道も歩いているらしい。
「どこか連れて行って」と頼まれ、頭に浮かんだのは尾瀬だった。
慣れない登山は無理だけどろ、尾瀬沼一周なら大丈夫だろう。
尾瀬は珍しい高層湿原で、初夏から多くの高山植物が咲く。
秋は原を金色に染める草紅葉が有名だけれど、
今回はまだその時期ではなく薄茶色ほどだった。
最近はメインの鳩待峠でなく大清水から入る場合もワゴン車が出ていて、
本来は歩くべきだった一ノ瀬までの3.5キロほどの距離を、
自分の足で歩く人がほとんどいなくなった。
確かにバスがあれば利用したくなる。
私たちも700円也を払って始発のバスに乗った。
私の計画では帰りは川に沿った旧沼田街道である山道を歩くはずだった。
いつもは歩いていたところをバスに乗っていくのは、
自分としてはポリシーに反する気がして後味が悪い。
ところが、尾瀬沼を一周し、三平峠に上り、
バス停のある一ノ瀬休憩所に下山したら、
彼女が20分後に出るバスに乗りたいと言った。
どうやら平坦とはいえ13キロの沼一周が限界だったらしい。
私は旧街道歩きに未練があったが、
彼女のためにバスに乗ることにした。
帰りの3時間の運転もあるし、良い選択かもしれない。
以前はここには売店があって、
下山してきたハイカーがお汁粉を頼んで休んでいたものだった。
私も、さて、あと1時間だと、
お汁粉をすすりながら身を奮い立たせたものだ。
バスのおかげでそうした楽しみはなくなった。
それにしても、国立公園内の山小屋経営やこうしたバス事業、
富士山のようにオーバーユースにつながるというのに、
一体どんな法体制で認められているのだろう。
いつも疑問に思う。