出先で時間がとれたので、近くの山を歩いてきた。
前日、友人に連絡したら同行してくれるという。
行先はひと昔前に1度だけ歩いている山にした。
あの時は時間の計算を甘く見て、
お昼近くに登山口を出発したので、
車道に出たのは真っ暗になってからだったっけ。
というと5時間はかかるってことだ。
友人はコースを変えては何度となく訪れている。
山歩きが大好きな人でこのあたりの山々にとても詳しいので、
彼女がいれば何の心配もせず歩くことができる。
9月だというのに山も里と同じように暑くてたまらず、
喉が渇くので何度も休憩した。
その都度、「もうすぐだわ」などと彼女が言うのに、
主だった分岐のある場所までなかなか到着できなかった。
3度目の休憩地で、試しにGPSで現在地を確かめてみたら、
大分歩いた気がするのにまだまだしょっぱなである。
これには驚いて、「現在地を確かめなければよかったね」と、
二人で笑い合った。
突然思い立った近場の山歩きで以前のことを忘れ、
散歩程度のものだと軽く思っていたら、
目的の山頂に着くまで随分と長くかかってしまった。
彼女は今回は3倍もの距離に感じたという。
私はそもそもピークの順番も違っていて話にならない。
準備もいい加減で500mlのペットボトル2本では足りなくて、
幸い水をあまり飲まない友人が1本譲ってくれたから、
体力を保つことができた。
人はその時々の年齢で感じ方が違うし、
山は季節が違ったりしても難易度は変わる。
記憶だけに頼って歩くのは危険かもしれない。
でも、山中でビバークすることができるから、
私たちは決して遭難はしない。