宿の車で昨日下車した桃源台ロープウェー駅まで車で送ってもらい、
そこから芦ノ湖を横切るディズニーランドにある海賊船のような観光船に乗った。
観光客のちらほら目立つ目抜き通りを通って箱根神社を見物した後、
箱根八里で有名な東海道の箱根旧街道に向かった。
この道を歩くことは長年の夢だったので心がワクワクする。
元箱根から何ら動力を使わず、昔のように歩いて箱根湯本に下るのだ。
箱根八里とは湯本から三島までの山道を指すらしい。
およそ600メートルほどの高低差があるようだ。
距離は10キロの山道だけど湖畔からだと往路になるためほとんどが下りだ。
恐らく4時間程で歩けるだろうから夕方には駅に着く。
山道には江戸時代のままの石畳が残っていて、
あちこちにその説明板が立っていた。
苔むした丸い石を滑らないように歩いていると、
往時の人々の並々ならぬ苦労が忍ばれる。
西国の参勤交代の長い列もここを往復しなければならなかった。
当時はずっとぬかるんだ道が続き大変な難所だったらしい。
そのために石が敷かれたのだった。
それが残っているのは有難いことだ。
湖畔から少し上って1時間ほど下ると甘酒茶屋という名所があり、
薄暗い昔風の店内には数人の客が休んでいた。
こちらは湯本まで先を急ぐので甘酒茶屋は覗くだけで素通りし、
木立に囲まれた山道を進む。
途中何回か車道にぶつかり旧街道は途切れるが、標識を探して山道を下る。
長い休憩はお昼の時だけでリュックを下ろさずひたすら歩いた。
おかげて寄木細工の町に3時間半ほどて到着し、
車がひっきりなしに行きかう車道になった。
しばらく車道を歩くとバス停があり、そこからはバスに乗ることにした。
駅までバス停4つほどの距離だけれど、
箱根旧街道を歩き通したと胸張って言って良いと思っている。