メダカがお腹に卵をぶら下げているのを見つけたのは、
長い留守をして帰宅した翌日のことだった。
水槽に6匹いた中の一匹がどうやら産卵時期に達したらしい。
いつから産み始めたのだろうか?
去年は9月に卵を抱え始め、
親メダカは驚くことに一月以上も毎朝卵を産んでいた。
透き通ったビーズ玉のような卵を大体5個ほどつけているので、
合計すると150個以上になる。
でも、大きくなるまで育ったのは7匹ほどで、
多分このメスはその時のメダカが大人になったのかもしれない。
抱卵中の母親メダカを見つけると柄杓で取り出し、
卵用のガラス瓶蚕室?に移すことが朝のルーティンになった。
同居中のヌマエビや他のメダカが、
卵を餌と間違えて食べてしまうおそれがあるからだ。
今年は室温37度という酷暑の夏に抱卵しているので、
無事に孵化するか心配だった。
水槽の温度がまるでお風呂のように温かいのに、
1週間ほどメスは卵を産み続けていた。
ところが、1週間目のお昼過ぎに、
親が卵を外したのを確かめスプーンで捕まえていたら、
蚕室瓶の中を逃げまどってなかなか取り出せず、
母メダカはぐったりしたようでダメージを与えてしまった。
心配した通り水槽に戻ったメダカは翌日から卵をつけず、
数日後には水槽から姿を消した。
私がメダカの寿命を短くしてしまったのだ。
産卵用の小瓶に入れておいた卵たちの孵化が心配だった。
普通なら20日ほどで孵化するのになかなか魚体が見られなかった。
もしかしたら無精卵だったのか、
それとも卵にカビが生えて駄目になったのか。
虫眼鏡で毎日観察していたら数日前、
小さな子供が泳ぐのが見られた。
今朝は3匹確認できた。
母親はいなくなってしまったけれど、
あと数匹は孵化してくれるかもしれない。
そしたら、また前のような数になるだろう。
大事に育てなくてはと思う。