久しぶりに会った従妹がお昼をご馳走してくれた。
それはちょっと贅沢したい日やハレの日などに料亭で食べる料理で、
海のもの山のもの、そして、当地独特の歴史が作り上げた和と中華、
西洋料理などが合わさり、一つの体系として出来上がっている。
いわゆる和華蘭料理の最たるものだ。
本来なら中華の円卓で、
大皿に盛られて出されるため人数が必要だけれど、
ランチは一人前になっていて気軽に店に入ることができる。
町には歴史ある卓袱料亭があって、
ランチとはいえ、卓袱らしさが出るようにそれなりの工夫をしているようだ。
観光客も来るから名に恥じないものにしたいのである。
最初に必ず出されるのは「鯛のおひれ」と言われ、
昔から鯛を一尾使ったという証になっていた。
最初に汁ものを飲むのは、
宴席でのお酒の悪酔いを防ぐためだということだ。
今回はさすがに尾ひれはなく、すり身の汁だった。
透き通ったスープがとても口に合う。
椀を飲み干すとお刺身や希少なクジラのお羽や、
たくさんの具材を使った料理が鮮やかに並べられ、
次に、トロトロの豚の角煮とエビのすり身を揚げたハトシ、煮豆、
ご飯と続く。
最後に甘いお汁粉と寒天料理が来て、
最後の最後にはスイカをあしらった冷たいデザートがやってきた。
美味しすぎて当然完食。
朝を食べていなかったのにお腹がパンパンになった。
「余は満足じゃ」の気分である。
これで、一人前5000円也は実にお得だと思う。
魚しか食べることのできない従妹が、
わざわざ私のために席を設けてくれたのだ。
従妹に感謝感激だ。