上野で開かれているマチスの展覧会の招待券をもらった。
美術展はコロナ以来、春に行った六本木ミッドタウンが初めて、
今回が二度目だった。
コロナ以前は美術展の度に上京していたから、
何となく昔に戻ったようにホッとする。
特に上野公園内の施設での展覧会は古巣に帰ったような気がする。
しかし、この展覧会、
招待券であろうが、前売りであろうが、
スマフォで予約を取り、入場する時間帯を決めなければならない。
以前のようにふらりと立ち寄れないのである。
主催者側は予約を扱っているアートパスというところに委託していて、
スマフォに読み込んだバーコードがないと、
入場できないようになっている。
このシステムは展覧会だけではなく、
色んなイベントにも広がっていて公的な場所の入場さえ、
スマフォのコード提示が必要とされるようになった。
美術展は時間指定の予約者で二重の列ができていた。
入り口で係の女性にスマフォにスクショしていたQRコードを見せる。
これには私の名前やメールアドレス、
その他申し込み関係のデータが入っているのだろう。
女性は時間を確認し、どうぞと言ったけれど、
その内、自動チェックイン機が設置されたら、
学芸員らしいその人も要らなくなるかもしれない。
色の魔術師のようなマチスの絵は確かに心打つものがあり、
行って良かったと思った。
とはいえ、これから美術鑑賞すらビッグデータとなり、
こんなふうに名前まで記録されるのかと思うと、
何だか末恐ろしいものを感じてしまった。
何れにしても私たちはスマフォを持っていることで、
タグされているのだけれど。
(写真上 なぜか似顔絵描きがゼロ 下 都美術館の鏡の球のオブジェ)