名古屋に行ってきた。
私のわずかな知識では「尾張名古屋は城でもつ」という謡い文句。
それと名古屋の名物は、食べ物は味噌カツときし麺。
信長の楽市楽座の自由な商売のイメージ。
そして、有数の産業都市だということぐらいだった。
そのぐらいしかないけれど、初めて訪れた名古屋は、
大都会の東京と変わらないほどのビル群と交通網で驚いた。
土地勘のない私は地下鉄の乗り換えを何度か間違えてしまうほどだった。
実体験が少ないと自分のイメージで都市の印象をとらえてしまう。
とはいえ、想像していた通り、名古屋は「お金」の匂いもムンムンとした。
なぜなら地下鉄の階段を上ると、
いきなり『金シャチ横丁』という通りがあるのだ。
その名だけでもとてもこの都市の特徴が出ている。
通りの水道水にも『名城金鯱水』とうやうやしく書かれ、
ピカピカな金の装飾が成されている。
この水を汲めば金運が上がるのかもしれない。
そこにはカフェなどが並び、
「金シャチ横丁ソフトクリーム」と書かれたのぼりが風にはためいている。
そのキャッチフレーズは「縁起を担ぐ豪華賢覧第一の金箔」とある。
まだ桜の蕾さえ硬く薄ら寒かったのに、
外のテーブル席で外国人カップルが金箔ソフトクリームを食べていた。
980円もする金箔ソフトを食べているのは他にはいなかったけれど、
花の季節には混雑しそうだ。
正月に金箔入りのお酒があるけれど、
消化しないので縁起が良いと感じるだけで栄養にはならないだろう。
私にとって金は食べるものではなかった。
通りを過ぎると名古屋城に続き、
城を囲む公園の入り口からは入場料が必要となる。
入口から城は遠くにあって、屋根の金の鯱は近づかないと見えない。
城はどこも同じようなので並んで待つ時間も惜しく、
隣のスタジアムの広場に回り、城が覗ける場所を探した。
ところが、公園の周りは高い塀があって中の様子は見えない。
遠くにそれらしき鯱が見える場所で、
カメラに収めたけれどスマフォでは名物の金など、
はっきりとは写らなかった。
まあ、結局、私には金は無縁なのだ。
そう思い、再び『金シャチ横丁』を通って駅に戻ったのだった。