郊外に新しく大型店舗が出来たので、友人を誘って行ってきた。
そこは住宅も少ない広い田園地帯で、
何年か前に食品や雑貨を扱う大型店舗が出来ていた。
そのはす前に今度は若者向きのインテリアショップが開店したのだ。
一昔前ならこうした大型店舗が郊外にできると、
その周辺はあっという間に開発されて、しゃれた住宅や店舗が増えていく。
ところが、この辺は店がなかった頃とそんなに変化がない。
地方の人口減は急速に進み、空き家もどんどん増えている。
素人が考えただけでも経済は先細りだ。
それなのに新しいお店が開店するなど、友達も首をかしげていた。
だから、店内がどんな感じになっているか知りたくてやってきたのだ。
案の定、広い駐車場はガラガラで、店内には数人の客しかいなかった。
私も友達も最近は余計なものを捨てるのに精いっぱいで、
新しく何かを増やす気分になれなくなっている。
結局、友達は可愛げな小さな箒を買い、
私はおうどん用の器を一つ買っただけで店を出ることにした。
さすがに何か買わないと気の毒すぎたからだ。
ちょうどお昼になったので大型店舗の方に移動し、
フードコートに立ち寄る。
そこは平日とはいえ何とか人もいて少し安心した。
さて、先ほどのインテリアショップだけれど、
陳列されている品々は魅力的で夢のあるものばかりだったし、
きっとお休みの日には若い人が多く訪れるのかもしれない。
業者にしてみれば勝算があるから資本をかけているのだろう。
フードコートでお昼を食べながら、
ふたりでそんな老婆心じみた心配ばかりしていた。