今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

知らない町のふるさとの山を訪ねて

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予定がなくなったので、今日は友達を誘ってハイキングに出かけた。

その町は風光明媚な渓谷も近く、

里山的な低山がうねるように連なっていて結構人気のあるところだ。

 

その町は家から2時間はかかり、

県が違うため私たちにはあまり馴染みのない地域だった。

でも、その山なら私は前に一度歩いたことがあったし、

登山口までの道は思い出すことができる。

 

友人は初めての町で喜んでいた。

町役場に車を置かせてもらい、記憶を辿って登山口を目指す。

広い国道の向こう側に連なる丘陵が今日の目指す山だった。

300メートルほどの低い山だ。

 

6年ほど前に歩いたのだから、足が自然と目的地に向かうと思っていた。

でも、国道を渡っても記憶にない風景が続いた。

思えば町役場の印象も全然違い、ちよっと解せなかった。

でも、前方に連なる山々の風景には見覚えがあった。

あの一番高いところがこの町のふるさとの山なのだ。

 

誰かに尋ねようとしても住宅街には人は滅多に通らない。

やっと自転車に乗った人を止めて道を聞いた。

それでも、間違って何度か戻ったりした。

以前行った場所とは違った感じだった。

 

時折、リュックを背負った散策者に行き交うが、

彼らは電車でやってきた七福神巡りか寺社巡りの観光客で、

この町のふるさとの山である山のことは知らなかった。

 

庭の掃除をしていた白髪のおばあさんがいたので、登山口を尋ねた。

どうやらやっと正しい道に来たようで、

私が前に歩いたところとは違った道であることが分かった。

 

人の好い友人は暮れの掃除をしているその老婦人と話し込んでしまった。

老婦人は自分も以前は毎日のようにこの山に登っていたと言った。

この山は通う人たちが作ったいくつもの道があるらしい。

いかにもふるさとの山らしい。

どうやら私が前に歩いたコースは平地から山の始まる神社だったみたいだ。

 

そんなこんなで登山口に着くまで20分ほどのはずなのに、

2時間以上も町歩きをしてしまった。

でも、知らない町の家々を見たり、庭木を見たりするのは楽しかった。

 

登山口から山の頂へはたったの30分で着いた。

ここは最短コースだったわけだ。

 

山頂広場は多くのハイカーで賑わっていて、

大都会のビル群がパノラマの中にはっきりと見えていた。

強風の中、温かいラーメンを作って食べ、南側のコースへ下る。

歩きながら、なるほど以前はここから上って来たのかとやっと納得した。

 

尾根を踏みながら歩く下山には2時間ほどかかった。

途中で冬の花であるコウヤボウキのピンクの花に会えて嬉しかった。

 

いつもなら本やネットなどで前調べをして来るのだけれど、

今回は記憶に頼ってきてしまった。

 でも、一期一会の知らない町や人や花に出会えたのは、そのおかげだと思う。

誘った友達も喜んでいたし、

前知識がない方が実りは大きいと思うのはこんな時である。