今年も一年が経ってしまった。
あっという間に365日が過ぎ去っていったのだ。
古代の人は星を見て観察するうちに、
自分のいる地も一つの星だということを知った。
こんな壮大な大地があまたの星や月、太陽などと同じように、
空に浮いていると知った時の衝撃は如何ばかりだったか。
想像するに余りある。
そのうち彼らは自分たちが太陽の周りを回っていることに気づき、
それを一日という区切りにした。
きっと彼らは夜が来て朝目覚めるたびに、
何らかの方法でその回数を数えたのだろう。
単純な私なら多分石を拾ったりして数えたかもしれない。
数字というものが指の数ほどしかなかったら、
両手を合わせた十を一つの区切りにし、計測は進化してきた。
ヒトは本能的に数える存在に思える。
毎朝、コーヒーを入れるためペーパーフィルターを使う私は、
それを取り出すたびに時について思う。
買ってくるフィルターの箱は100枚入りで、
最初はぶ厚かったそれがいつの間にか必ず少なくなってしまう。
数える存在である私は一つ取るたびに、
また一日が去って新しい一日がまた来たのだと思う。
フィルターがなくなると約三か月が過ぎていったことになる。
当たり前なことだけれど、なぜかため息をついてしまう。
毎朝そんな思いにとらわれるのは一年が余りにも早すぎるからだ。
自分の持ち時間も気にして生きているからだ。
数になどとらわれない生き物なら何も気にせず生きられるのに。
今日は今年最後の日、そして、明日は次の年の最初の日だ。