庭にイチゴの苗を植えてから5、6年が経った。
たった3株ほど他所からもらってきただけだったのに、
今は数えきれないほど増えている。
厄介な芝生がイチゴの葉っぱで覆われていて、
芝生の手入れをしないで済むのでありがたい。
イチゴはもちろんお店で売っているような大粒のものではなく、
昔ながらの小粒のものである。
手をかけないので野生種に近くなっている。
だから、ジャム作りにぴったりだ。
去年は庭のジャムの収穫に毎日のように追われた。
いっぺんに実らないので、
その都度摘んでは冷凍しておくのである。
それが大鍋いっぱいになったら凍ったまま砂糖で煮詰める。
適当な作り方だけど大中小の瓶に10本以上も作った。
出来上がりはイチゴの香りにむせぶほど。
それを毎朝のようにヨーグルトに入れて食べているのに、
まだもう1瓶残っている。
今年の冬は暖かく、春になったら不安定な気温が続いている。
去年のできが良すぎたから今年はどうかと心配していたら、
いつの間にかたくさんの花が咲いている。
ランナーが自在に伸びて去年より面積が広がってきた。
表通りにまで行きそうな勢いだ。
このイチゴはほとんど放置栽培。
肥料と言えば、溜めて熟成させたお米のとぎ汁を時々かける程度だ。
我が家ではお米のとぎ汁をそのまま排水することはせず、
必ず庭のバケツに入れて水肥料にしている。
たいした栄養もないのに自然と実るのが不思議でならない。
さて、今年はどのくらいジャムができるだろうか。
真っ赤なイチゴの収穫の日には、
かくも異常な緊急事態宣言は終わっているだろうか?
そんなことを思いながら、
「ストロベリーガーデン フォーエバー」と口ずさむ。