余りの重さで落ちてしまったヘチマの棚。
実っていたヘチマはかなり大きかったけれど、
茂る葉に覆われて見つけ出すのに一苦労した。
一番大きかったヘチマはどうやら大丈夫のようで、
地面に落ち腐りかけていたようなそれはとっくに自然と皮が外れ、
立派なヘチマの繊維がむき出しになって出来上がっていた。
最初にこれを見た人が暮らしの道具に代用したのだろう。
若いヘチマはネットで調べると沖縄や鹿児島で食用にされているらしい。
そこで、作り方を調べ、初めて料理に挑戦してみた。
若いヘチマの皮をむくと、冬瓜のような白い果肉が現れた。
若いので種も柔らかい。
それを四角く切ってナスとピーマンと一緒に油で炒めた。
お味噌が合うとあったので手作り味噌も入れ、
ついでに牛肉のこま切れを入れお砂糖と本返しで味付けした。
恐る恐る食べてみると、これがとても美味しいではないか。
色は薄いエメラルドでどこか懐かしい味がした。
捨ててしまうつもりだったのに、立派な一品が出来上がった。
ヘチマはドロッとした舌触りだが、味は冬瓜よりはるかに良かった。
種もすんなり食べられる。
気を良くした私は、お昼のインスタントラーメンに入れてみた。
すると、これも軽い酸味のあるさわやかな味だった。
ヘチマは若いといってもとても大きいので、
残りを友人に上げてみることにした。
どんな感想が返って来るか楽しみである。