秋に収穫したヘチマだが、束子を作るのには若すぎたようだ。
たった一本の苗で二階のベランダまで蔓が伸び、
いつの間にか数えると9本も大きな実がぶら下がっていた。
秋も深まったころ蔓を外し、ヘチマを収穫した。
それを茹でて皮をむき束子を作ることにしたけれど、
残念ながら殆ど煮崩れてしまった。
1本だけどうにかヘチマの繊維がしっかりしたものがあり、
早速輪切りにして流しで使ってみる。
適度な繊維の硬さがお茶碗を洗うにはちょうど良く、
台所用液体洗剤よりも、
薪の灰(洗剤のないクレンザー?)を使う方が汚れ落ちが良い。
このコラボ、昔の人はよく思いついたと感心した。
でも、このヘチマで流しの仕事をやるとしたら、相当な量が必要になる。
今年のたった1本の出来ではあっという間になくなってしまうだろう。
化学製品のスポンジなら腐らないので使おうと思えば、
いつまでも使えるのだ。
昔ながらの道具は古くなったら土に戻って少しも大地を汚さないけれど、
プラスティックなどの現代の製品はただ溜まっていくばかりだ。
とはいえ、私はすぐに便利さに負けてしまうので、
このヘチマを使い切ったらまた化学製品に戻るに決まっている。