ひと月ほど前に友達が4人用のテントを持ってきてくれた。
捨てるのは忍びないからオートキャンプ用にでもして欲しいと言う。
メーカーはDUNLOP製で、どうやら1986年にあたりに発売されたものらしい。
最近の登山用テントは軽量化が進んでいて、
4人用でも2キロもないものが当たり前になっている。
これは、テント本体やフライシート、ポールを入れると3キロ近くもある。
何しろ金属製のボールが水道管のように太いのだ。
確かにこれを仲間で分け合って担いでも、
軽いものがあるのを知っている身には、とてもしんどく感じるだろう。
便利さを知ると以前には戻れないように、
人はそんな意味でもどんどん弱虫になっている。
というより、登山用テントはソロが主流になっているのだ。
暇があったらどこかのキャンプ場に行って使ってみたかった。
でも、なかなかそんな余裕がなく、
仕方なく居間に設営して友達に報告しようと思った。
袋を開けると頑丈そうな亜鉛のパイプが幾つかあって、
汗を流しながらそれらを床に並べ色々やってみた。
でも、私の頭では想像できず、どうしたら立ち上がるのか悩んだ末、
ダメもとでネットに品名と番号を入れて検索してみた。
すると、世の中には奇特なブロガーがいて、
全く同じ製品を写真入りで事細かに解説しているページがあった。
意味不明のポールのつなぎ方も、分かりやすく説明されている。
その写真を見ながらやっていたら、簡単にテントが組み立てられた。
部屋中が朱色に染まるような鮮やかな色。
ここが緑の高原だったらどんなに楽しいだろうか。
テントの中を見回すと、底にも天井にもほころびや傷はなく、
経年劣化も汚れもなかった。
ブロガーのその人によると、このテントは作られてから35年以上も経っているのに、
ゴムにもシートにもほとんど劣化がなく、
長年の使用に耐えられる良いものだと絶賛していた。
まるで一生モノのテントみたいで嬉しい。
試しに室内で張ってみただけだから、実際はどうかは分からない。
風で留め具が割れて飛ばされるかもしれないし、
地面から雨が漏ってくるかもしれない。
でも、車のそばに設営して楽しむオートキャンプだったら使えそうな気がする。
この大きさのテントは持っていなかったら、二人で行く時に使ってみよう。
さて、いつ行けるだろうか。