先日、いつもの仲間とシロヤシオの花を見に行ってきた。
この花は五月の連休辺りに山をピンクに染めるアカヤシオが終わってから、
緑の中に静かに花開くゴヨウツツジというものだ。
その地味さが特徴で好きな人も多い。
花のある山はわが家から100キロほど車で走った峠の先だった。
そこには何度か行ったことがあったけれど、
他の二人は初めての場所だったから案内したのだ。
長い長い曲がりくねった道の上が峠で、そこに車を置く。
時間は2時を過ぎていて、山靴に履き替えていたら、
2台あった車の人たちが下山してきた。
発車しようとしていたご夫婦に車の窓越しに声をかけ、
花の様子を聞いてみた。
こういう時、先のことを知った方が良いのか迷う。
でも、シロヤシオの花が終わっていると思っていたので、
先まで行けばまだまだ楽しむことができると聞いて嬉しくなった。
天気予報も雨はないようなので、
明日、たっぷりと花を愛でることができる。
同行の仲間は山中で夜を過ごすことのできるワイルドな猛者。
だから、ひとりと違って心細さは微塵もない。
車のご夫婦は山で泊まると知って羨ましがっていた。
本来、山とはそういう自由な場所なのだ。
小一時間で広い主尾根の明るい笹のある場所に着いた。
歩き始めでは散っていたシロヤシオがここには多く残っている。
大木のサラサドウダンも至る所に咲いている。
何て素晴らしい緑の森なのだろうと一同感嘆した。
彼らが慣れた手つきでテントを設営してくれ、
やわな私はそこにお邪魔させて頂くだけで実に申し訳ない。
現に私の荷はたったの7キロほどなのに、
二人はその倍の15キロほどを背負って来たのだ。
それぞれが持ち寄った肴を広げ、
狭いテントの中で明るいうちからビールやワインで乾杯とくる。
その楽しいことと言ったら、街の居酒屋と比べようがない。
私ももう少し強くなって彼らの荷を軽くしてあげたいものだ。