畑の端に雑草や野菜を積み上げていると、
そのうちに分解されて土になっていく。
きっと微生物の働きでそうなるのだろうが、
自然に任せるとこれが二年ほどかかる。
野ざらしにせずに土の中に埋めると、
大体翌年には土に戻っているが、
繊維系の強いものはまだ形をとどめている場合が多い。
野ざらしの屑ゴミはそのままだと見た目が悪いので、
地面に穴をあけてそこに入れ、上から土をかける。
庭はそんなに広くないので、
あちこちの土中に草や生ごみが入っていることになる。
野積みの枯れ草などをスコップでひっくり返していたら、
三月に畑を整理して捨てた大ネギが脇芽を出していた。
土にまみれているのに腐るこちもなく、
新しい子供のネギが育っていたのだ。
植物というものは自分のコピーをこうして連綿と送り出すのだろう。
今年は、友人がちょくちょく農家が育てたネギを持ってきてくれたので、
我が家の手塩にかけたネギが春まで残ってしまい、
やむなく何本も抜いて捨てたものだった。
ネギは暖かくなると木のように芯が固くなり利用できなくなる。
捨てるのは致し方なかった。
そんなふうにわざわざ苗を買って育てたネギを始末してしまったので、
とても勿体なく思っていた。
まさかそれら捨てられたネギが復活するなんて。
まるでネギが自己主張しているような気がする。
成長に期待して丁寧の親から子を外し、ひと畝に植えてみた。
野菜の二次栽培というものだ。
以前試みた豆苗はたった一回分の豆ごはんが出来ただけだったけれど、
ネギは期待して良さそうだ。