家の抜本的整理と電気の見直しに取り組んだのは、
去年の夏前辺りだったろうか。
初めにやったのが二つあった冷蔵庫の取り換えだった。
普段の食材用には大きな方を使っていて、
中型のものは電気は入れず、
乾物や粉類などのストック庫として使っていた。
私にはモノをため込む癖があるため、
ポータブルバッテリーを買い、電気について学び始めたことをきっかけに、
冷蔵庫の簡素化にも取り組んだ。
真夏の冷蔵庫は電気を食うからだ。
冷凍庫の中には本人にも分からないような食材が混在し、
大型冷蔵庫を中型に替える時にほとんどのものを始末した。
せっかく作っておいた手作り品を捨てるのは忍びなかったけれど、
思い切って捨ててしまったらすっきりして食材が見やすくなった。
そんな流れの中、新年を迎えたのだか、
すっきり整理された庫内だったのに、
何が入っているのか分からなくなった。
朝起きた時の室内が10度ほどに下がり、
外がマイナス4度などととんでもなく寒い日が続き、
今度は一大決意をして冷蔵庫の電源を切ってみることにした。
電源さえ入れてなければモノをため込まない。
お肉や納豆、お豆腐、牛乳などの日常品は、
キャンプ用のボックスに入れて玄関の奥の寒い部屋に置いた。
わざわざ取りに行くのが大変だけれど、
電力は使わないし、食料は溜まらず一石二鳥だ。
ただし、買い物は二日おきに行かなければならなかった。
買い物バッグを持って運動がてら近くのスーパーへ歩いて行く。
沢山買えないのでまとめ買いの出来る暮らしよりもむしろお金はかかる。
でも、整理された庫内を見るのは嬉しかった。
残念ながらそんな日が続けられたのは2週間だけだった。
肉などの生ものをいちいち玄関の奥の部屋に取りに行くのは面倒だし、
牛乳1本のためにスーパーに行くのも不便でストレスが溜った。
モノは溜まらない代わりにストレスだ。
そんなわけで、扉を開けたら冷蔵された食材が見えるという、
便利な暮らしに戻ってしまった。
エコを目指すのは容易なことではない。
冷蔵庫のない暮らしを実践している人には頭が下がる。
でも、我が家の冷凍庫の中はたった2週間の体験で、
豚肉と新茶と保冷剤のみという状態で実にすっきりしている。
おかげで食べきるメニューを工夫するようになった。
冷蔵庫のない暮らしの体験は、
かなり役に立ったではないかと自賛している。