今の時代、様々な手続きの多くが電子化されていて、
自宅や出先でもネットさえ繋がっていれば利用できる。
便利と言えば便利だけれど、
デジタルについていけない人には敷居が高いと思う。
特に去年から続くコロナ騒動のせいで、
ますます拍車がかかっているようだ。
学校の授業や仕事なども対面なしに行われるのだから、
一昔前の人が見たらSF世界だと驚くに違いない。
今日、とある公的施設の申し込みをするため、
自治体が運営する電子システムを使ってみた。
なぜならその申し込みは電話ではできず、
インターネットのみとなっていたからだ。
ところが、書かれた説明がよく分からず、長いこと手こずってしまった。
事前登録の段階で意味不明なカタカナ語にぶつかるし、
同意書に目を通しても「同意」というボタンも見つからず、
何度も何度も最初に戻ってはやり直してしまった。
画面に向かっていると段々イライラが高じてきて、
ついに電子システムを行っている課に直接電話することにした。
連絡先が書かれてあったからだ。
最近はこの電話番号さえないこともある。
応対した職員に「登録できない」と説明すると、
「できないことが不思議です」と言い、私の話す意味を理解してくれなかった。
相手はきっと火星人から連絡が来たと思っただろう。
最後には直接の担当者に電話を替わってくれたけれど、
結局は私のやり方が何か根本的なところで間違っているとのことだった。
そんなこんなで再びトライしているとどうにか流れが分かって来て、
やっとのこと登録できた。
確かに私の理解力が不足していたのである。
でも、ここまで難なく進める人は一体何割ぐらいなのかとふと思う。
事前登録が済んだので、それから次はやっと申し込みに入るのだが、
あっという間に席が埋まり、私の画面はうんともすんとも反応がなかった。
そこで、はたと左側の小さなボタンに気づいた。
申し込みの時は、その「ログイン」ボタンを押さないと画面に入れないのだった。
迂闊なミスだったが、ログインすら意味不明の人だっているはずだ。
こんな一連の煩わしい入力作業、若い人には何の抵抗もないのかもしれない。
私はどちらかと言うとデジタルには強い方だと思っていた。
でも、時代に取り残されてしまったことを今日の作業で思い知った。
コロナのワクチン投与が始まったけれど、
多くの自治体がネットのラインなどでの申し込みを勧めている。
果たして後期高齢者や高齢者がそうしたことができるのだろうか。
せめて大切なことは通話や対面でやる時代に戻って欲しいものだ。