Windows10を起動したらいつものデスクトップと違うので、
再起動することにした。
こういうことは時々あって、
いつもなら一旦電源を落として起動するのに、
反射的に再起動ボタンを押してしまった。
この再起動機能、時折、起動時にフリーズすることがある。
案の定、画面が止まったままで動かない。
青い画面には、
『Windowsの準備をしています。コンピュータの電源を切らないでください。』
という文字が張り付いたようにして動かない。
よくある『○%更新中』という知らせもなく、キャンセルボタンもない。
丸い輪っかがくるくると憎たらしく回り続けているだけだ。
5分待ち、10分待ち、20分ほど待ち、しびれを切らせそうになった。
このパソコンはデスクトップ型だから、
コンセントを抜けば強制終了され、容易にこの場から逃げられる。
それが一番早道だから、抜きたい衝動に駆られた。
でも、このパソコンは友達が使っていたもので、
我が家にやってくるまで数えきれないほど強制終了されていた。
ここで私が更にそれをすると、
いくらPCの頭脳が堅牢になったとはいえ、
全く使い物にならなくなる可能性も大きい。
実は私も3回ほど強制終了をやっている。
ちょうど出かける用事があったので、
WIFIもそのままにして放っておくことにした。
「見ぬもの潔し」で見えなければ気にならない。
それに、帰ってくる頃には正常に戻っているかもしれない。
3時間ほどの外出の後、家に戻ったが、
すっかりパソコンのことを忘れていた。
思い出したのは5時間後あたりで、
モニターを覗くと画面は真っ暗になっていた。
治っただろうかと恐る恐るマウスを動かすと、
見慣れたマイデスクトップが飛び込んできた。
治ってる!
何時間かかったのか分からないけれど、
短気を起こして強制終了させなくて良かったなあと安堵した。
再起動ボタンを押しただけなのに、
一体パソコンの中で何が起こっていたのか。
長い時間をかけて、
絡み合った膨大な何かが、整理され再構成されたのだろうか。
そこに何か意志というものがあるのだろうか。
正常に戻そうとする意志が。
それにしても、こういった複雑なIT機器の頭脳はどういうことになっているのだろう。
私は「押しても駄目なら引いてみな」の時代に育った。
そんなアナログ人間には皆目見当もつかない世界である。