昨夜の宿は高原にあるしゃれたペンションのような、
ウッディハウスのコテージだった。
ここまではバスの便が悪く、
最寄り駅から小一時間ほどかけてタクシーで来た。
こんなに長くタクシーに乗るのは初めてだったが、
今回の幹事?が全員乗車可能なジャンボタクシーとやらを手配してくれて、
おかげで往復でも料金は3万円ほどと格安になった。
それを参加者で割るとたかだかひとり3500円程度だ。
こんな時、仲間たちと一緒は良いなあと思ってしまう。
いつも車で回収に不便している私は羨ましい限りだ。
私の知る寝具付きのただのバンガローと違い、
ここは値段もそんなに変わらないのに、
可愛らしいベッドからシーツまで清潔でまるでプチホテルに思えた。
コテージだからキッチンも食器も何でも揃っている。
暖房もかなり強力なヒーターが置いてある。
そして、ピカピカに磨かれたお風呂もあったのでとても驚いた。
土曜日というのに2棟も借りられるなんて、
キャンプ場すら予約の取れない関東地方とは込み具合が全然違う。
それともコロナ自粛の影響なのだろうか。
外を見て調べたらどうやら5棟のうち2棟は空いていた。
コテージの場所は標高500メートルもあるため、
雑木林は桜の花が残り、シラカバなどもまだ冬枯れの景色のままだった。
こんな時、季節が戻ってくれたようで得をした気分になる。
せっかくのコテージ風呂、仲間と宴の前にお湯をひねった。
前日は旅先の町で私にとっては豪華?で高価な温泉に寄ったけれど、
コテージの普通のお風呂の方が何だか有難く感じられた。
というのも、今までずっとみんなとお喋りしすぎたから、
もともとボッチ症の私はひとりになれたのが嬉しくて、
コンビニで買ったビールを持ち込み自分を取り戻す。
もちろん仲間との乾杯のため缶は開けず雰囲気だけ味わったのだけれど。
お風呂をさっと終えると隣のコテージに移動し、宴席に加わる。
食事当番が遠く都会から運んでくれ、料理してくれた有難い膳。
お皿にはいろんなつまみが盛られ、メインの鍋も湯気が立っている。
一同コテージの床に車座になって再会を祝い乾杯した。
さて、明日は信仰の山を皆と歩く。
どんな日になるのだろう。
きっと充実した物見遊山ができるはずだと思いながら。