山梨の初めての山を歩いてきた。
このところ山好きの友人がガイドをやってくれるので、
知らない土地の山々をちょくちょく訪れるようになった。
坂道を歩くことはとても身体に良い。
とりわけ大自然の息吹を五感に感じて歩くのは最高だ。
友人は腰を悪くしたらしいが、
それが悪化しないためにも歩いているという。
歩くという行為はどんな薬にも勝るのかもしれない。
でも、彼女は町ではなく自然の中を歩かなければならないと言う。
心身ともに健全になれるからだ。
確かにそうだと私も思う。
実際、私も随分と足が軽くなり、
そうなると心もすっきりとしているのが分かる。
先輩の友と比べるとあまりにもヘタレな私だけれど、
急坂で音を上げることが少なくなったし、
どこまでも歩けるような気がしてくる。
といっても、彼女の歩きの速さにはついていけない。
私が10歩ほど歩く間に、彼女の背中はあっという間に先の方に行っている。
5分もすると見えなくなるぐらいに差がついてしまう。
背中の荷も私の倍は重いというのに。
こんな私だけれど、普通に平地を散歩する時はそれほど遅いわけではない。
毎週のように山を歩いている彼女が特別なのだろう。
それに人間には持って生まれたものがある。
足の速い人もいれば遅い人もいる。
そんなに差があるのに一緒に歩いてくれるのだから、
ガイド役の友人には大いに感謝しなければならない。