周囲を緩やかな山に囲まれたとある公園へ行ってきた。
ここにはこれといった遊具などはないけれど、
立派なベンチや東屋などが設けられていて、
広くて自由な広場が子供たちにはうってつけの運動場になる。
入り口には動植物の模型や写真などを展示した、
子供向けのビジターセンターもある。
平日のせいか人はほとんどいなくて、
公園管理の委託業者らしき二人と、
高そうなカメラを抱えた二人のバードウォッチャーに会っただけだった。
雑草は刈られ、植え込みもちゃんときれいに剪定してある。
自宅の庭の草むしりを思うと、
広い公園の管理の大変さは容易に想像できる。
きっと定期的に頻繁に人手をかけているのだろう。
秩序が保たれていることは人に安心感をもたらす。
日常が続いているという素晴らしさの証だ。
施設の事務職員も4人はいただろうか。
こんな公園施設が税金で運営されている間は、
まだこの国は安泰なのかもしれない。
ふとこういうことを思った。
国がいよいよ困窮したら、
衣食とは無関係な公園の雑草など後回しになるだろう。
コロナ禍がもっと経済を圧迫すると、
そんな時代が来ないとも言い切れない。
公園を抜け長い階段を上り、登山道へ入った。
ここからは隣町へ行くことができる。
江戸時代はどうやら町と町を結ぶ往還道だったらしい。
街並みを見下ろすベンチでお昼になったので、
インスタントラーメンを作って食べた。
車にお箸を忘れ、急遽シノダケを折って箸を作った。
竹で食べる熱々のラーメンの美味しいこと。
ハギの咲き乱れる秋の野山の贅沢なひと時である。