朝、起きると私は必ず室温を見る。
そして、雨戸を開ける時にその同じ温度計を外に出すようにしている。
温度計は違うものを使うと正しい比較ができないような気がして、
ずっとこれが真冬の習慣になっている。
このところ外はマイナス2、3度が続いているけれど、
今日は家事が終わったら水辺公園に行くことにした。
今年は週に一度は行きたいと思っている。
歩いているといつの間にか汗をかき体中が温かくなる。
お日様が照っているとなおさらである。
これほど安上がりなリフレッシュはない。
今日の水辺公園には陽だまりにタンポポも花開き、
様々な冬鳥がたくさん飛んできている。
水路には美しい青と金色のお腹をしたメスのカワセミが、
何度も何度も餌を捕っていた。
ここをぐるっと回ると植物や鳥たちを観察してしまうため、
いつの間にか日が暮れてくる。
でも、茜色に染まる雲と水面に映える日の光の揺れる様は、
何度眺めても飽きることはない。
一回りした後、バードウォッチャー達の集まるベンチ付近で、
一休みしていたら隣合った女性が親し気に話しかけてきた。
その人は隣の町からやってきたと言い、
なぜか自分の町の行政について私に話し始めた。
つまり、私の暮らす町と比べ、
自分の町にはこうした自然と遊ぶことができる公園がないと言うのだ。
いずれこちらに引っ越したいとまで言うのだった。
私は自分の住む町をこんなに褒められたことはなかったし、
自分では何もない田舎だと思っていた。
でも、その人はこの広大な自然公園こそ誇るべきだというのである。
何気なく散歩していた水辺公園、
行こうと思ったらいつでも行くことのできる自然いっぱいの公園。
ここがなかったら確かに私の日々は豊かではないだろう。
空を飛ぶ白い冬鳥の群れを見ながら、
つくづくこの地に住んで良かったなあと思った。