カミュの『ペスト』を読み始めて、
もう一月ほどが経っただろうか。
いつになったら読み終えるのだろう。
私の持つ『ペスト』は新潮世界文学48
「カミュ1」の中にある。
それは、小さな活字が1ページ二段組になっていて、
『ペスト』は243ページも占めている。
この全集の中で『ペスト』は読んでいなかった。
疫病などありえない世界だと思ったから読まなかったのだ。
ところが、今回のコロナ騒ぎで、
文庫本が飛ぶように売れていると知り、
本棚を探して手元に置いたのだった。
今回の件がなかったら一生読まなかったと思う。
最近、ネットで名作の朗読を聞くようになって、
せっかく読書するのなら声を出して読もうと思い、
家事の合間に暇を見つけて読んでいる。
せいぜい5,6分だけれど、声を出すのはけっこうきつい。
それに読み間違いも多く集中力も必要だし、
ずっと続けるには根気も要る。
今日まで読んだページは56ページで、
あと187ページが残っている。
どのぐらいかかるか分からないけれど、
何度も反芻するように聞き直すと内容がよく理解でき、
その甲斐はあるというもの。
流し読みをして読むのとは違うからとても勉強にもなる。
まだ核心にやっと入ったところだけれど、
カミュは都市封鎖された市民を「流刑」と表現している。
どんどん読み進めたいけれど、
朗読を録音しながらの読書スタイルを続けようと思っている。