カミュの小説『ペスト』を朗読し始めてから4ヵ月ほどが経った。
ページを数えるとあと68頁を残すところ。
毎日のルーティンが毎日ではなく数日おきとなってしまった。
5月の初めの予定ではお盆頃には読了するはずだったけれど、
暑さのせいか、怠け者のせいか、まだ終わらないでいるのだ。
現実のコロナも秋を迎えて終息の気配はない。
本の中では4月16日にネズミの異常が見られた。
それが恐ろしいペストと分かり、都市が封鎖され、
10月下旬の今は、罪のない少年が長いこと断末魔の叫びを上げ、
苦しみの果てに死んだ。
まさにクライマックスに入ったと思われる。
そこまで読み進んだ。
普通に読書したとしたら数日で終わっているはずだけれど、
声に出すと理解度が深まる。
とはいえ、何事も最初に決めたことをやり抜くのは難しく、
時々、もうやめようかなと弱気になる。
けれど、朗読というものはいったん声を出して読みだすと臨場感が出て、
自分もそこにいるような気がしてくる。
登場人物の会話も自分で喋るため、演技力?も付きそうだ。
何より声を出すので活舌が明瞭になってくる。
だから、間が空きながらも今日もどうにか録音することができた。
私の感じでは、罪のない少年の死で、登場人物の全て、
神の教えを説く神父でさえ、神の存在を疑うことになってしまうようだ。
一神教の世界とは違う私たちに、
この本を理解することは難しいのかもしれない。
でも、朗読は続けよう。