テレビを見ない代わりにネットの動画をよく見ている。
寝る時は枕元にタブレットを置いて必ず見る。
そうすると、たったの5分ほどで寝てしまうけれど、
それが習慣になってしまった。
今までは趣味関係のものを見たり、
頭を使わないお笑いや大食いの動画などを見ていた。
でも、最近は英会話の勉強や名作の朗読を聞くようになった。
英語学習の動画は朝の食事を用意するときに流している。
これなら目も疲れないし、いつかヒヤリングの腕が上がるかもしれない。
小説は、本だったら絶対に手にしないような時代物なども、
適当にプッシュするようになった。
そんな分野もひとたび聞いてしまうと、
最後まで聞いてしまうから作品には力があると感じる。
でも、やはり好きなのは翻訳物だ。
この3日程カフカの『審判』を聴いている。
これは、本で読んだり、ビデオ映画で見たりはしたけど、
もう一度じっくり味わいたかった。
でも、読書は目が疲れるし、家事と同時にはできない。
世の中には奇特な人がいて、
こんな長い小説をボランティアで読んでくれている。
目の悪い人の助けにもなる。
何とも敬服してしまうではないか。
さて、その朗読、
第一章から第五章まで聞き終わったのだけれど、
第六章がどうしても探せなかった。
そこで、動画の右に書かれるコメント欄を引っ張ってみたら、
「第六章はどうしたのですか?」と誰かが尋ねていた。
それには朗読者の真摯な返信があって、
「いつかやるつもりなんですが」みたいな返信があった。
結末も知っている私だけれど、
どうしても続きを読みたくなって、
夫の本棚からカフカ全集を探してみた。
ページを開いて読み始めたけれど、
一行一行を理解して読むのはとてもしんどい。
声を上げて読んでもなかなかページが進まない。
朗読者の苦労をあらためてかみしめた。