この三日間は色々と忙しかったから、
今日は自分のために少しでも時間を使おうと思い、
家事を適当に済ませ、お昼の後は声を出して本を長く読み、
そして、ひとり車を動かしてリトルヒルにやってきた。
午後3時過ぎの森はなかなかに落ち着いていて、
木々の緑は先週よりも夏めいて、
アスレチックな道には誰一人いなかった。
気温が高いせいもある。
先週に続いてここに来ることができたのは、
とても喜ばしいことだった。
緩やかな坂道を歩いていると心が穏やかになる。
最近は友人とも仲間たちとも会えないし、
木々のざわめきや野鳥の鳴き声にホッとする。
小さなピークから我が家の方を見たあと、
遠く靄の先に薄く広がる都心のビル群まで眺めかす。
あの辺りにはウイルスが飛び交っているのだろうか?
ここからではまるで他人事のようにしか思えないけれど、
確実に世界は変わってしまったのだ。
早く電車に乗ってあそこまで行ってみたい。
もう5ヵ月近く都会の空気を吸っていない私。
まるで純粋培養状態だ。
緊急事態は解除されるけれど、
私の心の中の恐れが消えるのはいつ頃になるだろうか。
完全に消えてしまわないと、満員電車に乗る気にはなれない。
そう思うと、都会の人は凄い。