朝起きていつものように空を見上げると、
何だか見慣れない雲の形状でちょっと驚いた。
上空に丸っぽいうろこのような雲がいくつも発生していて、
風もないのに一つ一つが西から東に向かって動いている。
その下の低空には不穏そうな大きな暗い雲が、
家々の上に今にも雨を降らさんばかりにのしかかっていた。
食事の後片付けと掃除が終わり、少しだけ休もうとしたところ、
いきなりちょっと長い地震があった。
このところ何度もあるのでまた!と思って不安になる。
それでも、すぐに止むのが普通なので、
机の下に避難することまではしなかった。
それから、しばらくこの地震のことは忘れていたが、
午後のこと、ふと窓の上の空を見たら、
見たこともないような壮大なうろこ雲が、
西から東に大きく帯を成していた。
雲の距離など考えたこともないけれど、
見たところ5キロから10キロぐらいは続いている。
それは幅広の直線的な帯の中に、
夥しい数の丸いうろこをキッチリと納めながら、
初夏の強い太陽のもとで不気味に光っていた。
びっくりした私はタブレットを持って写真を撮りに外へ出た。
最近は人と会えないのでよく動画を送ったりしているのだ。
見上げると不気味な光る帯は、
我が家の上空を斜めに横切っている。
朝に見た上空の流れる雲が、
いつの間にかこんなにもはっきりとしたうろこを作り、
長い帯状になったのか。
そもそもうろこ雲とは秋の雲ではないのか。
もしかしたら、これは『地震雲』と言われている雲なのだろうか。
今朝の地震と科学的な根拠で関係があるのだろうか。
予感や予兆など無視したい私にも衝撃が走る。
うろこ雲は朝の様子とまるで違い、固まったように動かなかった。
私は何枚も写真を撮り、その全体像を動画でも撮ってみた。
そして、それらの画像を友人たちや家族と共有してみた。
すると、誰も笑い飛ばすことはなく、
皆、納得したように不安を口にしていた。
コロナ禍の前代未聞的異常事態で心が弱くなっているせいだろう。
私もきっとそうだ。
こんな時、大地震など来てほくない。
どうか平穏でありますようにと、地球に祈るばかりである。
(写真は切り取ったもので実際は長い帯状にこれが東西に広がっていた)