今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

マドリッドの喧騒を思い出す

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午後に時間が取れたので、

買い物がてらに図書館へ行くことにした。

わが町の図書館は他市の図書館と違い、

先週は普段通りに開いていたから

今日もそうかなと気楽に思っていた。

 

でも、残念ながら入り口に張り紙がしてあって、

いつものように読書したり勉強したりできなくなっていた。

椅子やソファには利用できないようにテープが張り巡らされていた。

汚い服(失礼)を着て同じ席に座っている常連の利用者もいない。

 

ただし、返本や貸し出しはいつもと変わらずやっていたので、

少しだけ返本の作業を手伝った後に、

借りたい本を探すことにした。

 

自粛ムードの中でも本を借りる人がいることにホッとする。

とはいえ、いつもよりも格段に少なかった。

あっという間に図書整理の手伝いは終わった。

 

実はプラド美術館のカタログを見たくてやってきた。

検索すると、大型本が二つもあった。

小さな古い図書館なのに!

他の都市の図書館ではなかったからとても嬉しかった。

 

両方とも借りてきて帰宅してからじっくりページを開いた。

現地では興奮してあまりよく見ていなかったから、

写真集でその素晴らしさを再び確かめるのだ。

 

ページを開いていると、

雨上がりのオペラ駅から歩いて行った美術館までの、

あの時の町の賑やかさが頭に浮かぶ。

マドリッドの町は人々でごった返していた。

 

立ち食いカフェではトルティーヤや生ハムを挟んだ名物のサンドを売っていた

人懐っこい店員さんややコックさんたちは、

今頃どうしているだろうか。

商売できず困っているだろう。

 

帰りに道を間違えた私たちのために、

ずっとオペラ駅まで案内してくれた四人の若者達、

どうやら下層階級の人に見えたが、

言葉が通じないのに一所懸命で良い人たちだった。

彼らも家でひっそりと嵐の過ぎるのを待っているのだろうか。

きっと仕事がなくなって困っているに違いない。

 

ただ今は一日も早く収束してくれと祈るばかりだ。