どこの図書館でもそうだと思うが、
図書館は住民サービスのために定期的に映画の上映日を設けている。
それが例に漏らず、コロナ騒ぎでしばらく中止され、
最近やっとサービスが再開された。
コロナ騒ぎがなかった頃、
最後に私が図書館の上映サービスを利用したのは一昨年だったと思う。
あの時は隣町の図書館で古いアメリカ映画を見たのだった。
雑誌を読んでいたらアナウンスがあったので会場へ行った。
もちろん上映される映画が好きなジャンルだったからだ。
だから、上映日にたまたま図書館にいた時ぐらいしか利用していないことになる。
今日は市の広報で気になる映画があることを知り、
本の返却日に合わせて行ってみた。
図書館は読書机も利用可能になったのに、
以前よりもさらに閑散としていた。
ドアの前で係の人が心配そうに受付をしていて、
客が来るかどうか不安だなのが見て取れた。
コロナのない時でさえ小さな視聴覚室は空席の方が目立っていて、
たまにいる客は老人ばかりだった。
これが税金で運営されているのだと思うと、
大いなる無駄をしているみたいでなぜかこちらも心苦しかった。
イベントとは人が密になってこそイベントなのだ。
今日の会場はさらに閑散としていた。
椅子はパラパラと20人分ほどしか置いておらず、
席に座る客はざっと15人ほど。
それでも、上映中は楽しく鑑賞できて、
やはり、映画は音響の良い設備のある銀幕?で見るのがいちばんだと思った。
上映とはいえ館にある手持ちのDVDをプロジェクターで再生しているだけだが、
薄暗い室内で大画面に見入ると、
自宅でレンタルビデオを見るのと異なり、
スクリーンと自分が強く一体化する。
コストパフォーマンス(費用対効果)からいうと、
こんなサービスはない方が人件費の節約になり、
税金の無駄遣いが少しは減るだろう。
でも、図書館のサービスとはある意味、
住民への福祉的役割を担っていて、
それらがなくなった社会は想像したくない。
たとえ鑑賞者が数人だろうと、
こうしたサービスを続けることにこそ意味がある。
帰りしな受付の方に丁寧なお礼を言われた。
こんな時期だから観客ゼロも覚悟していたというのだ。
私も何だか良いことをしたようで嬉しかった。
これからは好きな作品があったら、
カレンダーに上映日をメモしておこうと思う。
(写真 自宅用ハンディDVD機器は3台目 時々車内でも映画を観る)