公園を散歩していたら、
椅子が百個ほど並べられ、
縁日のような出店も出ていた。
椅子の前方にはプロジェクターが置かれている。
立派なスピーカーも配置されている。
男性が作業していたので質問してみると、
今夜のラグビーの試合を、
みんなで盛り上がって見るためのものだと知った。
出店に生ビールやおつまみが売られているのはそのためだった。
やはり、アルコールは気分を盛り上げる。
なるほど、そういえば日本がずっと勝っていたのだ。
ラグビーというもののルールが分からない私だけれど、
公園でみんなで見ようなど、
まるで大昔の東京オリンピック並だと思った。
いや、サッカーのニュースなどでも、
知らない人同士が拍手喝さいしている情景を見ることがある。
あの興奮した乗りが公園で繰り広げられるのだろう。
人々は一体感を欲しているのだ。
何となく気になって、
私もテレビで観戦して見ることにした。
この日は記念の日でもあったので、
集まった家族と20年物のワインを開けながら、
画面を追い続けた。
初めて見るラグビーは選手の集まる移動場所の位置で、
何となくピンチとチャンスの違いが分かるだけで、
ボールの動きがさっぱり分からず、
点の数え方も分からず、私には難し過ぎた。
だいぶ経ってからゴールのラインに、
ボールを投げるのではなく持って行くことが、
ラグビーの醍醐味なのだなと分かってきた。
それが分かると、意外と分かり易く応援し易くなった。
さて、今頃はあの公園に集まった人たちは、
一体感に満ちて盛んに声援しているだろうかと思うと、
公園に行けば良かったかなと少し思うのだった。