今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

脳の退化か?映像に頼ったカミーノ・サンティアゴ

こんな天気では外仕事をする気にもならず、

昨日は家事が一段落すると、以前から興味のあった旅の本を読むことにした。

それは、スペインの聖地サンティアゴへの長い道を歩いた人の旅日記だった。

 

私は自然を歩くロングトレイルにずっと憧れていて、

完歩した人が羨ましくてならない。

現実的にはできないから体験者の本を読んで気を紛らすのだ。

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サンティアゴキリスト教使徒ヤコブの遺骸が発見された場所で、

ここへ向かう巡礼道は中世から始まって、

国外、国内各地から幾つもルートがあるらしい。

ローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大巡礼地である。

 

そこへ向かう道の中で一番ポピュラーなのが『フランス人ルート』で、

ピレネー山脈のフランス側の町から760キロの道を何日もかけて歩く。

本は日記形式になっていて、写真はわずかしかなく白黒だった。

 

本を読んでいると何か物足りなく、作者には悪いけれど時々飛ばしたりした。

何となく心が満たされないのだった。

最近、文学ならともかく、こうした現実の紀行の場合、

動画を見るのが常となって、

文章だけでイマジネーションが湧かなくなっている。

大ベストセラーと言うが、

私にとって書き手の魅力も少なかったのかもしれない。

 

ピレネー山脈を越えると見えるであろう壮大な山々の光景も、

旧市街のメルヘン的な家々の姿もあまり想像ができなかった。

以前だったら自分なりに文章からインスピレーションを感じ、

それでじゅうぶん満足だったのに。

私の脳は固まってしまい、融通が利かなくなっている。

それとも、やはり、書き手の問題か。

 

『聖ヤコブの道』(カミーノ・サンティアゴ)などおそらく一期一会なので、

タブレットで動画を探してみようと、スイッチを入れた。

何回かの検索で幾つか動画が見つかった。

気に入ったのは米人の人のものだけど、字幕を入れると何となく伝わってくる。

時々、本を開いては、

ここの風景はこんななのかとうなづいたりした。

 

本に書かれていた旅の途中のカテドラルでの讃美歌も流れている。

また、巡礼人のために無料で施される、

蛇口から出てくる赤ワインというのもこの目で見て、

「おう、これかあ」と納得した。

 

画面には簡単な文章しかなく、頭を使わなくて済む。

耳で聞き、目で見て納得するように脳が変化したようだ。

便利すぎる情報のせいで、想像力が失せてしまったのかもしれない。

 

今からでも水辺公園を散歩してこよう。

動かなくては。

 

(写真 水辺のカミーノはいつ来ても癒される)