今日はいよいよ成田に行かなければならない。
少し風邪が抜けていないけれど、
行けば行ったでどうにかなるだろう。
長い留守中に家事が苦手な夫が食べるものに困らないように、
冷蔵庫の食料や備蓄のレトルト食品などをメモすることにした。
そのメモがないと何を食べていいのか分からず、
頭が混乱してしまうと言うのだ。
たとえば、冷凍庫にある天ぷらや小分けしたお肉、
チルドにあるハムやウインナー。
天ぷらはうどんに入れることになっている。
冷蔵している丼物のだしは定番で、牛丼と親子丼。
どちらも具入りでタッバーに入れてあり、2食分は作ってある。
食べるたびに火を入れるようにメモする。
野菜室にはキャベツが半分残っていて、
千切りの切り方を教えた。
庭の緑のカーテンには苦瓜が幾つかぶら下がっている。
これも種を出して切り方を伝授。
袋で育てた万願寺もピーマンも毎日食べる分できるから、
収穫の仕方を教える。
食品棚には魚の缶詰やレトルトカレーの類。
それに便利なインスタントみそ汁など。
さて、今日を抜かせばまる9日間だとして、
1日3食で計27食が必要となる。
まるで算数の問題みたいだけれど、
1日置きにお昼は外食するとして、それを引けば18食。
ここから丼物の4食を引くと14食となり、
だんだん少なくなってくる。
多分用意するのが面倒で、スーパーの弁当も衝動的に買うだろう。
これは毎日ではあきるため、せいぜい4回ぐらいだと思う。
つまり、残る10食が自分で工夫して料理してもらうことになる計算だ。
たったの10回、きっと彼は缶詰と納豆で過ごすに決まっているけれど、
缶詰大好き人間だからご馳走気分で食べるだろう。
こうして列記していると、説明しやすくて私も気に入った。
備えの食べ物が一目瞭然に分かるように、
それらをきれいにメモし直して、冷蔵庫の扉に貼った。
もともと家事に対しては、
工夫をしたり、新しいものに挑んだりする人ではないので、
こうして書いてもらえば助かるようだ。
私だったら材料を見てすぐに何を作るか想像できるけれど、
彼にとっては料理などの家事は至難のわざなのだ。
でも、料理人?の長い留守は誰に邪魔されることなく、
趣味に没頭できるから、それだけで嬉しいようだ。
さて、出発だ。