そろそろ庭の夏野菜の始末をしようと、
ジャングルのようになったトマトの木を抜いていたら、
ミョウガが三個だけ土から顔を出しているのに気付いた。
日当たりが良すぎるわが家の庭にはミョウガはあまり育たず、
こうした草むらの奥に少しだけできるだけだ。
食べ頃のやつだったから、手をのばして二つ抜いた。
薄黄色の絹のような花が咲く寸前で丸く太っている。
美味しそう。
三つ目はちょうど腕を伸ばした先にあったため最後に取ろう。
そう思い狙い(?)を定めようとしたら、
そばに何やらこんもりと土が膨らんでいるではないか。
自然に盛り上がったのではなく、
誰かが故意にやったような感じで気味悪かった。
よくみると土の左側面に白い粒々が見えた。
夏の初めにサヤインゲンの蔓にアシナガバチが巣を作りはじめたことがあった。
しばらく観察していたけれど、それを取り払う段になって、
そのまま巣ごとその場所に移したのを思い出した。
あの巣が蔓という空中から地面に移り、10㎝以上の大きな巣になって、
まだハチたちの世界が繰り広げられているのだ。
あの時、巣ごと捨てるのに罪悪感があったけれど、
こんなに成長していただなんて、私は他人事(ハチ事)ながらとても嬉しくなった。
ハチは人間にとって悪者のように思われているけれど、
巣の場所を知り、その巣を故意に揺らしたりしないなら、
決して人を刺したりしないと子供向けの本に書いてあった。
昨今はなぜか大騒ぎをされて殺虫剤で処分されることが多い。
わが家のアシナガバチの巣は、窓のそばのものを合わせてこれで二つ。
彼らは野菜につくバッタなどの虫を何匹食べてくれただろうか。
何しろ彼らは肉食なので幼虫にせっせと肉団子を運ぶのだから。
おかげで今年のわが家の夏野菜は虫食いが少なかった。
そんなわけで、窓際の蜂の巣は最後まで静観するつもりだけれど、
ゴーヤの緑のカーテンがすぐ脇にあるので、
それの後始末の時どうしようかと今から気になってならない。